カーブジェン株式会社(代表取締役:中島正和、本社:東京都品川区)は2022年9月21日より、医師が細菌感染症の治療方針を決める際に専門医に読影依頼を行える、医用画像遠隔診断支援プラットフォーム「Carb Connect (カーブコネクト、以下「カーブコネクト」)」の提供を開始しました。
「カーブコネクト」開発の背景
19世紀に抗菌薬が開発され急速に広まるとともに、抗菌薬への耐性を獲得し、その効果を得にくくなる「薬剤耐性菌」が現れました。なかでも広範あるいは完全な薬剤耐性を持つと考えられる細菌は「スーパーバグ(superbugs)」と呼ばれ、世界的な課題としても注目されています。既存の抗菌薬が効き難くなるため「薬剤耐性菌」の治療は難しく、多くの薬剤処方量と代替薬が必要となります。また、これにより手術時や抗がん剤治療で免疫が低下したときに新たな感染症にかかりやすくなるなど、様々な医療的な課題を引き起こす原因ともなっています。これが「薬剤耐性(AMR)問題」です。その抑止には、「感染症を正しく診断し、抗菌薬の適正投与による治療を行う」ことが重要です。しかしながら、現在の医療体制においては設備・時間・コスト等の面から全ての医療機関で正確に診断するための投資を行うことは困難です。そこで、どのような環境でも正しい診断を行える環境を構築するため、その第一段階として本サービスを開発し、試験運用版の提供を開始しました。
「カーブコネクト」の概要
医師が細菌感染症の治療方針決定のため、画像診断による原因菌特定を行う際に、その推定が困難であった場合、同一施設内の感染症専門医に読影依頼を行えるシステムを開発しました。また、現在薬事承認申請準備中のAI画像診断による細菌感染症菌種推定アプリ・適正抗菌薬選定支援システム「BiTTE(ビッテ)」と併用し、慎重を期して感染症専門医の意見を参考にしたい時、本システムを通じて読影依頼するという利用方法も想定しています。