内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)を開発する株式会社AIメディカルサービス(本社:東京都豊島区、代表取締役 CEO:多田 智裕、以下「AIM」)は、対策型胃がん検診および対策型肺がん検診(以下「対策型胃がん・肺がん検診」)業務において、クラウド上での二次読影を実現するため、クラウド型読影プラットフォームgastroBASE™ screening Xについて、2025年4月30日付で第三者認証機関より製造販売認証(認証番号:307ADBZX00035000)を取得し、2025年5月下旬より順次サービス提供を開始することを発表しました。

gastroBASE™ screening Xは、画像診断装置(内視鏡装置、デジタルX線装置等)から提供された画像をコンピュータ処理し、診療のために提供します。診断のための読影に使用可能で、対策型胃がん・肺がん検診における読影ワークフローに最適化されており、検診に活用が可能です。
二次読影とは、内視鏡検査・X線検査(レントゲン検査)などで撮影した画像を2人以上の医師が読み、病気を診断することです。対策型胃がん・肺がん検診では病変の見落とし防止のために、この二次読影がガイドライン上定められています。なお、読影行為に用いるソフトウェアは医療機器に該当します。
対策型胃がん・肺がん検診の実施においては、診療面と運用面ともに負担が大きく、それぞれに以下のような課題があります。
<診療上の課題>
・精度管理:対策型胃がん・肺がん検診で撮影される内視鏡装置、デジタルX 線装置の画像は病変の見落とし防止のために、地域の医師会に所属する専門医が二次読影することでその質を担保している。内視鏡画像においては1回あたり数千枚の画像を読影することも少なくなく、読影医の負担が大きい
・移動にかかる負担:二次読影は自身の勤める病院・クリニックの外来が終了したあとに読影を実施する会場に赴いて行うため、身体的・精神的な負荷や場所的な制約が大きい
<運用上の課題>
・紙媒体での運用に伴うリスク:検診業務フローにおいてアナログな運用が残っている自治体も多く、画像データが入ったメディアや検査用紙の処理・郵送など事務的な負担が大きい
このような背景を受けて、AIMは検診業務フローのDX化を推進することで、診療面と運用面それぞれの精神的・身体的な負担を軽減し、対策型胃がん・肺がん検診に貢献するために、クラウド型読影プラットフォームgastroBASE™ screening Xが開発されました。
製品特徴
対策型胃がん・肺がん検診の二次読影・画像診断をクラウドシステムとして実現:専用回線・PC不要でウェブブラウザーのみでクラウドにアクセスし、画像診断を行えます。シンプルなユーザーインターフェースで、年齢・スキルを問わずに簡単に利用できます。また、3省2ガイドラインに準拠した高いセキュリティ水準のシステムです。
検診票・連絡票をそのままデジタル化:各自治体で異なる問診票、検診票、連絡票などデジタル化したいデータの入力フォームを柔軟にカスタマイズが可能です。データはクラウドに保存され集計がよりスムーズに。検診業務のDXを加速します。
複数名による二次読影がクラウド上で可能:現在の対策型胃がん・肺がん検診で実施されている二次読影のワークフローを維持したまま、クラウド上で複数名による二次読影が可能に。二次読影医の結果不一致によるレフリー判定にも対応可能です。
胃内視鏡網羅性評価AI:胃内視鏡画像から撮影された部位をAIが判定。上部消化管展開図(網羅性マップ)に表示し胃内視鏡撮影の網羅性をチェックします。
胃内視鏡画像品質評価AI:AIが読影の妨げになる可能性がある画像(暗すぎ、明るすぎ、ボケ、送水・泡)を判定し、不適切な画像があった場合に検査医に知らせます。