ドイツの医療および安全機器製造販売会社 Drägerwerk AG & Co. KGaA の日本法人ドレーゲルジャパン株式会社(本社:東京都品川区)は、周術期領域において優れたパフォーマンスと持続性を可能にする全身麻酔器Atlan A100 ( ドレーゲル全身麻酔装置Atlanシリーズ 30300BZX00062000 ) を発売したことを発表しました。
日常の手術室における課題に対応
全身麻酔を用いた手術時の課題として、1.患者安全の確保、2.術後肺合併症の軽減、3.感染予防と制御、4. 環境と社会を意識した持続可能性が挙げられます。
1. 患者安全の確保
昨今、患者安全を脅かす事故の約70%は、ユーザーのミスと医療機器の不適切な使用に基づいています。Atlan A100は、手術室の環境やニーズに応じたラインナップ(コンパクト/ラージタイプ)と幅広いソフトウェアとハードウェアの拡張性を有し、病院全体の麻酔器の標準化を実現、回避可能なミスの低減に役立ちます。また、サイバーセキュリティを念頭とした製品開発により、生命維持に関連する機能とネットワークをCPUから切り離す構造は、安全性に優れています。
2. 術後肺合併症のリスク軽減をサポート
外科手術を受ける患者の最大30%が、術後肺合併症(PPC)を発症するという報告があります。 Atlan A100は、患者毎に個別化した肺保護換気を実現することで、術後肺合併症(PPC)のリスク軽減をサポートします。
3. 感染予防と制御に適したデザイン
先進国の入院患者の約7%は、少なくとも1つの医療関連感染症にかかるという報告があります。Atlan A100は、麻酔器の表面だけでなく機器内部へのクリーニングをより簡単にするなど、IPCに適したデザインで衛生的なワークプレイスを実現、感染予防と制御を実施しやすい構造になっています。
4. 環境と社会を意識した持続可能性
GWP(Global warming potential 二酸化炭素が与える温暖化作用の強さを1とした相対比 )では、セボフルランで130、イソフルランで510、デスフルランで2540という報告があります。直感的な低流量麻酔を可能にするAtlan A100は麻酔薬使用量の削減に寄与します。また、ドレーゲルの採用するピストン式人工呼吸器は電気的に駆動する為、コストのかかる駆動ガスが不要です。スタッフの麻酔器の日頃の点検業務を自動化するシステムセルフテストは、運用効率を向上し、スタッフの業務軽減と効率化に貢献します。限りある資源と人材を大切にし、環境にも人にも優しい持続可能な全身麻酔を可能にします。
Atlan A100の主な特徴:
1. 手術室の環境やニーズに応じたラインナップ(コンパクト/ラージタイプ)とハードウェア・ソフトウェアの拡張性とサイバーセキュリティで患者安全を確保
2. 患者毎に個別化した肺保護換気テクノロジーで術後肺合併症のリスク軽減をサポート
3. 感染予防と制御に適したデザイン
4. 環境と社会を意識した持続可能性