エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:サージ・パンチュク、以下エドワーズ)は、経皮的僧帽弁接合不全修復システム「PASCAL Precisionシステム」について、器質性僧帽弁閉鎖不全症(Degenerative Mitral Regurgitation, DMR)の治療を対象に2023年10月18日に厚生労働省より製造販売承認を取得し、保険収載を経て、販売を開始したことを発表しました。
PASCAL Precisionシステムは閉鎖不全となった僧帽弁の前尖と後尖を把持し、弁尖を近づけるように修復することにより逆流を低減させ、安全かつ効果的にDMR患者さんを治療します。2種類のインプラントの選択肢があり、いずれも独立した把持機能、弁尖組織の損傷軽減を考慮した把持とクラスプ操作、伸展する機能を持つことで、解剖学的に患者さん一人ひとり異なる僧帽弁の形状や、多様な手技のニーズに応えることが期待されます。また、独立した3つのカテーテルで構成されたデリバリーシステムは、直感的な操作性と安定性を重視した設計によって、正確なナビゲーションとインプラントの留置をサポートします。
2023年10月26日、サンフランシスコで開催されたTranscatheter Cardiovascular Therapeutics(TCT)において、無作為化比較試験であるCLASP IIDピボタル試験1の術後1年の結果が発表され、PASCALシステムによる僧帽弁閉鎖不全症軽減の臨床的およびQOL的ベネフィットが確認されました。外科手術が困難であると判断されPASCALシステムによる治療を受けたDMR患者において以下を達成したことが示されました:
- 術後1年の主要有害事象からの回避率は84.7パーセント
- 患者さんの95.8パーセントが1年後もMR≦2+を維持し、有意かつ持続的*にMRを低減 p<0.001(ベースラインと比較)*p=0.125(退院時と比較)