医療機器

血管内治療のイノベーションを目指すGlobal Vascular社、Diamond Medino Capitalからシードラウンドで2.5億円を調達

Global Vascular株式会社(代表取締役CEO:尾藤健太、代表取締役COO:前川駿人)は、シードラウンドにてDiamond Medino Capital株式会社(本社:東京都千代田区)の運営する「DMC1号投資事業有限責任組合」を引受先とする第三者割当増資により、2.5億円の資金調達を実施しました。

Global Vascular株式会社について

Global Vascular株式会社(以下「同社」)は、「歩く」という当たり前が守られる未来を目指し、動脈硬化に伴う血管の閉塞や狭小化が原因で虚血となり、足の痛みや足が腐ってしまう病態(「下肢末梢塞性動脈硬化症」や「重症虚血肢:虚血が進み下肢切断にも繋がる病態」)を治療するための高度管理医療機器「下肢閉塞性動脈疾患用ステントデリバリーシステム」の膝下領域への実用化を中心とした研究開発に取り組んでいます。

これらの基礎研究~実用化研究は、東海大学医学部と慶應義塾大学理工学部の医工連携共同研究チームHasebe Research Group(以下「HRG」)の長年の研究成果から生まれたものであり、同社はHRG発のスタートアップ企業です。代表取締役の尾藤CEO、代表取締役前川COOは、HRG出身の研究者でありエンジニアでもあります。

「ステント」とは、血管を内側から広げて固定する金属の筒状の医療機器であり、血管が詰まって血流量が低下してしまうことで様々な二次的な疾患に繋がることを防ぐ治療系医療機器です。足の血流が悪く、虚血が進むと、足の痛みで歩けなくなったり、足が腐ったりして下肢切断を余儀なくされることがあります。また、そのような場合には、ある種の癌の患者様よりも5年後の生存率は下がることが臨床的に証明されており、早期に血流を再開させることが生命予後、QOL (quality of life)を改善します。

医療機器のなかでも長期間体内に留置されるステントには、かねてより「生体と人工物との異物反応」が問題となっており、特に膝下以下の血管という「血流が細くて遅い」うえに、「歩行動作における血管の繰り返し変形が避けられない」部位においてそれが助長されるため、開発の難易度が非常に高く、2023年5月現在においても未だ使用が認められたステントは全世界に存在していません。
同社は、2000年代からHRGにて研究・開発されてきたバイオマテリアル「フッ素添加ダイヤモンドライクカーボンコーティング(F-DLC)」を下肢ステント表面に実装することで、長年にわたり他社がアプローチできなかった「生体と人工物との異物反応」の極小化を実現し、その他技術要素を最適にチューニングすることで、研究からエンジニアリング、治療ガイドラインを熟知した専門医を含めたマーケティング、製品化、製造販売承認取得までを一気通貫におこなう、世界に先駆けた次世代ステントを世界中の医療現場に届けることを目標にしたディープテック企業です。

資金調達の使途

同社の開発する製品は、日本における高度管理医療機器クラスIV、米国におけるクラスIIIに位置し、いずれの国においても当局から販売承認許可を取得するためには、技術・規制だけでなく費用面にも非常に高いハードルがあります。現段階で、本製品のフィジビリティスタディはすでに完了し、高い治療効果が期待できるステージまで到達しており、2023年2月には米国規制当局 (FDA)へのpre-submissionも完了し、実用化に向けた大きな一歩を踏み出しております。本シードラウンドにより、開発品の承認取得試験のプレ試験を実施し、さらに確度を上げることで、承認取得試験の実現性を検証します。

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