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富士通など、「4K8K高度映像配信システム」を活用したがん手術の実証実験を実施

熟練医師不在地域でも質の高い医療提供が可能

一般社団法人NHKエンジニアリングシステム、株式会社三菱総合研究所、富士通株式会社は、一般社団法人映像配信高度化機構、および株式会社NTTドコモと連携し、あらかじめ撮影した手術中の8K映像を、「4K8K高度映像配信システム」を活用し、第5世代移動通信システム(5G)経由で遠隔地に伝送する技術実証実験を、2021年3月17日と18日に実施しました。

今回の実証実験の役割は、8K内視鏡カメラはNHKエンジニアリングシステムが中心で開発し、8K腹腔鏡はオリンパス株式会社が開発、「4K8K高度映像配信システム」は映像配信高度化機構が開発しています。

また、5Gを含むネットワークはNTTドコモが提供し、8K内視鏡手術施設として想定したのは新宿区の「ドコモ5Gオープンラボ Yotsuya」で、専門医待機施設として想定したのは渋谷区のスクランブルホールです。

そのうえで、8K内視鏡カメラと8K腹腔鏡を使用して撮影した手術中の8K映像を、5Gネットワークを使って「4K8K高度映像配信システム」に蓄積しつつ、「ドコモ5Gオープンラボ Yotsuya」から渋谷区のスクランブルホールに配信しました。

この手術では、執刀医が8K内視鏡カメラを使ってがん手術を行うのに対し、遠隔地にいる熟練の専門医が執刀医から伝送されてくる8K内視鏡映像を見ながら適切な指示指導を行い、映像で返信します。これにより、熟練医師のいない地域でも質の高い医療提供が可能になると期待されています。

4K8K高度映像配信システムに画像データを登録

実証実験では、さらに、「4K8K高度映像配信システム」に、8K手術映像や動物実験で撮影された腹腔鏡内の8K映像等をデータベースとして登録し、事前の症例研究や研修などに利用できるように、5Gネットワークに接続された複数端末に配信することで、どの程度の遅延や画質の劣化などが生じるかのデータを集めました。

2日間の実証実験の結果、8K内視鏡カメラの映像を、8Kの高画質を保ったまま、最小限の遅延で問題なく、5Gネットワークを使って遠隔地に配信できることが確認されました。また、「4K8K高度映像配信システム」にデータベースとして登録し、5Gネットワークで複数端末に同時に高画質のまま配信することもできました。

この実証実験は、総務省の実証事業「4K8K高度映像配信システムの産業横断的な活用に向けた調査研究」の一環として実施したものです。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

富士通株式会社 プレスリリース
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/03/19.html

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