再狭窄を抑制し再治療の頻度を低減
日本メドトロニック株式会社(以下、日本メドトロニック)は、IN.PACT AV薬剤コーティングバルーン「IN.PACT AV DCB」が2021年2月1日に保険適用され、販売を開始したことを発表しました。
「IN.PACT AV DCB」は、血液透析を受けている末期腎不全患者の自己血管内シャントにおける長さ100mmまでの狭窄病変に対して血管内治療を行うデバイスです。バルーンに塗布された薬剤「パクリタキセル」を、バルーン拡張により血管壁に送達させ、再狭窄を抑制し再治療の頻度を低減することが期待されています。
国際共同治験では、「IN.PACT AV DCB」で治療された患者は、標準的な経皮的血管形成術(PTA)で治療した患者と比較して、術後6ヵ月時点における開存率が高く、かつ内シャントの再狭窄部位への再治療回数が56%少ないことが示されています。
患者の持続的な透析治療に貢献
日本における透析患者の97%が血液透析を受けており、その多くは、持続的に血液透析を受けるために、人工的に動脈と静脈を結合した自己血管内シャントを必要とし、その血流を維持することは不可欠となっています。
しかしシャント化された静脈は、時間の経過とともに狭窄が生じやすく、その結果、血流が低下して十分な血液透析が受けられなくなることがあります。自己血管内シャントの機能を回復させるためのPTAを行っても、再狭窄によりPTAを繰り返す場合もあります。
こうした状況に対し、患者が長期間にわたって同じ自己血管内シャントを使って透析治療を継続するため、再狭窄までの期間を延長できる新たなデバイスが求められていたことから、今回「IN.PACT AV DCB」の販売を開始したものです。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
日本メドトロニック株式会社 プレスリリース
https://www.medtronic.com/