医療機器

根本的な治療法がない心不全向け再生医療等製品「MTC001」、第I相治験を開始

6月より筑波大学附属病院にて開始

株式会社メトセラは、2021年7月14日、心不全向け再生医療等製品『MTC001』の第I相医師主導治験が開始されたと発表しました。

『MTC001』は、同社が開発した自家VCAM-1陽性心臓線維芽細胞と、日本ライフライン株式会社が開発した専用投与カテーテルによって構成される製品。治験は同年6月より、慢性虚血性心不全患者を対象として筑波大学附属病院にて開始されています。

患者本人の心臓由来の細胞を活用

心不全は、心臓が十分な量の血液を送り出せなくなる疾患です。高齢化の進展などによって患者数は増加の一途を辿っていますが、未だ根本的な治療法は存在しません。この課題を解決すべく、低下した心機能を回復させる治療法の開発などが急がれており、『MTC001』もこうした理由から開発されました。

『MTC001』は、患者本人の心臓由来の細胞を用いた自家細胞製品です。心機能の回復に適した線維芽細胞群が存在することに着目して開発され、心臓内でのリンパ管新生や心筋細胞の増殖を促進し、心組織の回復を促すことが可能となっています。培養が非常に容易であり、低コスト製造が可能な点も、大きな特徴です。

患部への効率的かつ効果的に細胞投与を実現

『MTC001』は、3Dマッピングシステムと接続可能な専用投与カテーテルもまた、特徴となっています。このカテーテルは、心腔内の電位を測定する電極カテーテルと、細胞の注入針によって構成されるもの。病変部位の正確な把握と、患部への効率的かつ効果的に細胞投与を実現しました。

なお、今回開始された『MTC001』の治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の再生医療実用化研究事業より支援を受けています。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

慢性虚血性心不全患者に対するVCAM-1陽性心臓線維芽細胞の医師主導第I相試験の開始について – 株式会社メトセラ
https://www.metcela.com/2021/07/14/ph1trial_jp/

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