AI技術の活用で診断の質と効率を高める
富士フイルム株式会社(以下、富士フイルム)は、東南アジア、中東、アフリカなどの新興国において健康診断サービス事業を開始し、その第1弾として、2021年2月4日、インドのバンガロールに、がん検診を中心とした健診センター「NURA」を開設することを発表しました。
「NURA」の運営は、同社の現地法人「FUJIFILM Middle East FZE」と、インドや中東で病院や検診センターを経営する「Dr. Kutty’s Healthcare」の合弁企業「FUJIFILM DKH LLP」が行います。
「NURA」では、高精細な診断画像を提供する同社の医療機器やAI技術を活用したITシステムなどで医師の診断をサポートし、がん検診をはじめ生活習慣病検査サービスを提供します。
がん検診では、口腔がん・乳がん・子宮頸がん・肺がん・胃がん・大腸がん・前立腺がん・食道がん・喉頭がん・白血病、合計10の検査を実施します。
また、生活習慣病の検査では、慢性閉塞性肺疾患や心筋梗塞リスクの早期発見に向けた検査をCTで行い、全身の体組成をビジュアル化、内臓脂肪量や筋肉量、骨密度測定を行うことでメタボリックシンドロームやロコモティブシンドローム(運動器症候群)のリスクを早期に発見し、健康寿命の延伸を目指します。
そして、診断の質と効率を高めるためにAI技術を積極的に活用し、CT画像から肺結節の候補を自動検出する技術を搭載したITシステムや、画像強調技術で観察画像の視認性を高めた内視鏡、高精細な診断画像を提供するマンモグラフィーなどの医療機器により、医師の診断を支援します。
定期検診による早期発見と早期治療が重要
インドでは、がん罹患者の5年生存率が約3割と低い状況となっています。がん罹患者の生存率を向上させるためには、定期検診による早期発見と早期治療が非常に重要ですが、新興国では、がん検診サービスを提供する施設が少なく、健診の文化も定着していません。
こうした状況の中で、富士フイルムは、トルコやカタール、サウジアラビアなどに対し、X線画像診断装置、内視鏡システム、体外診断装置、医療ITシステムなどの製品を提供し、併せて、がん検診サービスの導入・普及をサポートしてきました。
今回、こうした経験と、AI技術を活用して医師の診断を支援する機能を搭載した医療ITシステム、高性能な医療機器などを生かし、インドで健診センターを開設したものです。
将来的には、検診バスなども活用してより多くの人がリーズナブルな価格で検査を受けられる体制を構築し、新興国でのがんや生活習慣病の早期発見に貢献していきます。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
富士フイルム株式会社 プレスリリース
https://www.fujifilm.com/