医療機器

ロート製薬、難治性創傷のための創傷治療システム「オートロジェル システム」が国内で保険適用

ロート製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:杉本雅史)は、難治性創傷を対象とした創傷治療システムである、多血小板血漿ゲル調製キット「オートロジェル システム」が、2024年10月1日より保険適用されたことを発表しました。

難治性創傷と、求められる治療手段の開発

難治性創傷は、治癒能力が働かず治療が困難で、長期間にわたる特性をもつ疾患です。日本では、高齢化の進展や糖尿病患者の増加に伴い、糖尿病性潰瘍をはじめとした慢性創傷を有する患者が増えてくると予想されています。中でも、足にできやすい糖尿病性潰瘍は、悪化すると下肢切断にいたることもあり、切断をした場合、切断後5年以内の死亡率が70%と報告されています。

このように治療が難しく予後も悪い難治性創傷に対し、医療現場では負担の少ない画期的な治療開発が求められ、近年では、国内外で自己多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)療法の創傷に対する有用性が報告されていました。当社ではPRP療法の新医療機器としての開発を進め、製造販売承認を取得しています。

今回の保険適用により、従来のPRP療法に対して求められていた「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づく対応が、オートロジェルシステムでは不要となりました。これにより、PRP療法を治療の選択肢の一つとして、より検討して頂きやすくなることが期待できます。

保険収載の概要

販売名:オートロジェル システム

一般的名称:多血小板血漿ゲル調製キット

医療機器承認番号:30400BZ00273000

クラス分類等:高度管理医療機器(クラスⅢ)、生物由来製品

主な使用目的:既存医療が奏効しない創傷に対する、自己多血小板血漿ゲルを用いた創傷治療の促進

保険適用年月日:2024年10月1日

関連技術料:J003-4多血小板血漿処置 4,190点 (施設基準等の変更を伴う)

オートロジェル システムについて

本医療機器は疾患への適応を有する自己多血小板血漿(PRP)療法の医療機器として、既存治療が奏効しない創傷に対する新たな治療システムです。患者本人の血液から分離した多血小板血漿を薬剤によりゲル化させたものを患者の損傷部位に塗布することで創傷治療を促進させるキットです。

 特長①ゲル化することで損傷部位に容易に塗布ができる

 特長②治験により有効性・安全性を評価し承認を取得

 特長③新たな感染症や拒絶反応の危険性が少ない自己血液から調製

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