生成AIと量子技術を主事業とするKandaQuantumはこの度、GPT-3.5とGPT-4のAPIを搭載した電子カルテ「CalqKarte」にて医療機関向け法人との共同実証実験を開始しました。本技術は当社のAI議事録「CalqTalk」の医療特化版として再開発したもので、最新の言語処理技術によって収集された医療情報を自動で解析・判断し、医療スタッフの診療支援に役立てることができます。
GPT-4と電子カルテ連携の背景
OpenAIのGPT-4のAPIと電子カルテシステムが連携したGPT4搭載 電子カルテ「CalqKarte(カルクカルテ)」の実証実験が開始されました。この画期的な取り組みは、医療現場の効率化や、診療の質向上を目指しています。GPT-4は、OpenAIが開発した人工知能(AI)技術で、自然言語処理能力に優れています。そのため、医師が行う診療やカルテ記載作業を効率化し、高度な推論能力により業務効率化が期待されています。また「CalqKarte」は文脈に基づく検索を可能とするセマンティック検索エンジンと連携し過去の患者データや最新の医療知識を活用して医師の診断支援にも役立ちます。近年、電子カルテの導入が医療現場で増加しているものの、一般診療所ではわずか49.9%、一般病院でも57.2%に留まっていることが分かっています。電子カルテは、従来の紙ベースのカルテに替わる、電子データを活用して医療情報の管理を行うシステムであり、導入により診療の効率化や情報共有の円滑化が期待されています。
リアルタイム議事録「CalqKarte」の概要
「CalqKarte」は、GPT-4と電子カルテを組み合わせた、リアルタイム議事録作成サービスです。診療中の医師の発言を音声認識技術を用いてテキスト化し、GPT-4がそれをもとに議事録を自動作成します。このように、リアルタイムで議事録が作成されることで、医師は診療に専念でき、診療後のカルテ記載の手間も軽減されます。
「CalqKarte」がもたらすメリットとして以下が挙げられます。
・診断支援と治療方針提案
・医療従事者間の情報共有の円滑化
・患者と医師のコミュニケーション向上
GPT-4は過去の患者データを分析し、適切な診断や治療方針を提案することができます。これにより、診療の質が向上し、患者に対する安心感も高まります。また、医療従事者間の情報共有を円滑にします。リアルタイムで作成された議事録は、電子カルテシステムに即時反映されるため、関係者はすぐに最新の情報を確認できます。これにより、情報の遅れや誤解が生じることを防ぎ、チーム全体の連携が向上し、最適な医療サービスの提供が可能となります。さらに、「CalqKarte」は、患者と医師のコミュニケーションの向上にも寄与します。診療中に医師が伝えた情報や説明がリアルタイムで記録されるため、患者は自分の病状や治療に関する情報を確認しやすくなります。
実証実験と今後の展望
実証実験の期間中、「CalqKarte」の有用性や実用性が詳細に検証されます。実験の結果次第では、今後さらなる機能追加や、他の医療機関への展開も検討される予定です。また、医療分野以外への応用も期待されており、例えば、企業の会議議事録の作成や、教育現場での授業記録など、幅広い分野での利用が検討されています。