医療機器

アボット、国内初となる「デバイス抜去専用カテーテル」を備えたリードレスペースメーカ「アヴェイル VR LP」の製造販売承認を取得

2023年1月10日―アボットメディカルジャパン合同会社(本社: 東京都港区、代表執行役員社長 千田 真弓)は、徐脈性不整脈の治療に用いられる「アヴェイル™ VR LP」(以下、アヴェイル VR)について、製造販売承認を厚生労働省より2022年12月20日に取得したと発表しました。

従来型ペースメーカ(写真左)とアヴェイル™ VR LP(写真右)

心臓は、右心房にある洞結節が興奮することで電気信号を発生させ、その電気信号が心臓全体の筋肉に伝わることで、規則的な収縮を繰り返し全身に血液を送り出しています。不整脈は、この電気信号が正常に伝わらず、心臓のリズムが乱れた結果、心臓から送り出す血液の量が足りなくなる状態で、最悪の場合には心不全などを引き起こし死に至ります。不整脈は、心臓の脈拍が遅くなる「徐脈性」と早くなる「頻脈性」に分けられます。徐脈性不整脈に対する唯一確立された治療法は、ペースメーカの植込みで、日本では毎年約4.5万人の患者がペースメーカによる治療を開始しています。

従来のペースメーカは、リードと呼ばれる電極を静脈から挿入し心筋に固定し、前胸部皮下のポケットと呼ばれる部位に留置したペースメーカ本体と接続させます。しかし、ペースメーカの合併症の多くは感染症で、リードあるいは皮下ポケットに関連し、その発症率はそれぞれ植込み後5年で8%、11%と報告されています。アヴェイル VRは、電極が一体型になっており、カテーテルを用いて右心室内に留置します。アヴェイル VRの安全性および有効性の評価を目的とした国際臨床試験 The LEADLESS II Study フェーズ2試験において、6週時の機器関連有害事象非発生率は96.0%と、高い安全性を示しました。また、アヴェイル VRは、独自のプレマッピング機能を備えており、留置前に正しい留置位置を評価することが可能で、同臨床試験において留置が成功した83.2%の症例で、再留置が必要ありませんでした。電池寿命についても、国際標準化機構(ISO)の標準規格設定において10年超と予測されています。更に、アヴェイル VRを使用している患者に電池交換や治療変更の必要性が生じた場合、「デバイス抜去専用カテーテル」を用いて、植込まれているアヴェイル VRを摘出する選択が可能です。

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